Studio Way To Moon

日記(2011年05月)

・2011/05/19 全知への旅

 出所も記憶になく、言葉自体もあいまいなのだけれど、次のような言葉が心の奥に確かに刻まれている。

「神が人間に与えた知性というものを、神が人間に使わせることを禁じているとは思えない」

 アダムとイブが知恵の果実を食して楽園を追放されるくだりは、知性の背徳性を戒めているが、その原罪があってこそ始まる旅がある。無知から全知へと至る知の探求の旅である。旅の過程は辛く厳しい命がけのものであるが、神なる存在に近づく崇高なる行程でもある。神とは、その全能性をもってしても神そのものを作ることは出来ず、それ故孤独な存在である。何億年何十億年もの長い長い年月を待ってでも手に入れたいもの、それは「友人」という存在ではないだろうか。七転八倒しながら、自分に近づいてこようとしている友人候補の将来に期待せずにはいられないはずだ。人類に知恵の果実を与えたのはあくどい蛇の仕業だったが、それによって始まった物語を一番楽しんでいるのは神自身なのではないだろうか。

 と、仏教徒の自分が無責任なことを考えてみるうららかな春。

・2011/05/15 MIDIのある暮らし(その2)

 VOPMとSynth1を使いこなすためには、必要な音のほとんどを自分で手作りしなければならない。この辺にパワーが吸い取られてしまうと、曲作りがなかなかすすまないので、プリセット音がたくさん入っているVSC(Virtual Sound Canvas)のSC88音色をメインにすることを考えてみた。そこに、以前から使いたかったフェーズシフトというエフェクタをプラスするのだ。このフェーズシフトとは、元の音の位相を変化をつけつつずらすことで、シュワーシュワーというジェットストリームな感じのサウンドを作れるものだ。どんな音かというと、ガンダムでホワイトベースが飛行しているときの音が多分フェーズシフトで作られているはず。

 新しい曲の着想としては、「Yells From Unknown 1」というのが浮かんできた。どんな曲かは請うご期待というところ。この中で重要な役割を果たすのがボコーダーである。昔YMOが「トキオートキオー」と言わせていたロボットボイスを作るエフェクタである。このボイスが味方側のアンノウンの役を演じるわけだ。で、ネットからフリーのボコーダーである「vocovee」をダウンロードしてインスコした。最初はさっぱり使い方がわからず、判ってからも音が出ず困り果てたが、困難の原因はマイクの入力レベルが小さすぎたことだった。なので、一旦人間ボイスを録音してからノーマライズで音量を調整して、そこにボコーダーを掛けてやるとうまくいった。

 機械としてこういったエフェクタを揃えると、相当な金額を出費しなければならないし、場所もとるので、現在のミュージックツールの売りであるノンリニア編集機能はとても役にたつ。ただし、音楽用に使用しているPCの性能が若干低めなので、あまりゴージャスな編成の曲をつくろうとすると、大変な手間がかかってしまう。最初だしシンプルにゆくのがいい。曲がしょぼくなって皆様にがっかりされるのは避けたいが、曲のタイトルに1が付いているのは、後々に同じテーマで再戦出来るようにとの配慮である。それだけ、思い入れのあるテーマなのだ。

・2011/05/09 MIDIのある暮らし

 ゴールデンウィークの大半を「CivilizatuinIV」の同人拡張パックである「Fall From Heaven II」というゲームにはまって過した。それ以外では、作曲再開の準備をしていた。昔愛用していたヤマハのシンセ「V50」を中古で衝動買いしたのが始まりである。5万円で手放したシンセを1万5千円ほどで購入できたので、差額は得した気分。使い方は大体思い出すことができたので、マニュアルが無いことは気にならなかった。4オペレータFM音源16和音のシンセである。しばらく音作りに興じてから、作曲に移行するつもりが内蔵シーケンサの扱いはなかなか面倒なので、「PCのシーケンサを学ぶ方が後々役に立つはず」と思いPCのシーケンサをセットアップ。PCにはV50ではなく、同時に購入した音源内蔵コンパクトMIDIキーボードの「CBX−K1XG」を接続し、PCデスクの横に配置した。その位置にはV50は大きすぎて置ききれないからだ。V50は当面、部屋の隅に立てかけておいて、ミニ鍵盤で入力を行うことにした。FM音源成分は、フリーのソフトシンセである「VOPM」で摂取するつもり。

 計画では、メインのFM音源に加えて、太い音担当のアナログソフトシンセと、生楽器音担当のGM系を導入する予定、アナログはフリーで「Synth1」というのがあるので近いうちにDLしてインストールするつもり。GM系ではGS規格の「Virtual SC88」を所有していたので、引っ張り出して利用する予定。

 本来は、メロビーニョが完成するまで作曲はしない予定だったけれど、鈍った勘を取り戻すことと、現状の普通のミュージックツールの使い勝手を知るのも価値のあることだ。何より創造する楽しみを前にわくわくしてくる。
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